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札幌の買取専門店が解説 金継ぎとは?意味・やり方・費用まで|初心者でもわかる日本の伝統修復技法

金・プラチナ 2025.1.22
「金継ぎ(きんつぎ)」とは、壊れた陶磁器に新たな美を吹き込む、日本の伝統的な修復技法です。その歴史や背景には、日本独自の美意識と手仕事の精神が息づいています。この記事では、金継ぎの意味や歴史、魅力、さらには自分で実践する方法まで詳しく解説します。

金継ぎとは?基本をわかりやすく解説

ここでは、金継ぎの定義と目的、使われる材料、そして基本的な工程について順に解説します。

金継ぎの定義と目的

金継ぎ(きんつぎ)とは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、接合部分を金や銀などの金属粉で装飾する日本の伝統的な修復技法です。

本来であれば「欠点」とされるひびや欠けを隠すのではなく、あえて見せることで新たな美を生み出すのが大きな特徴です。

その目的は、単に器を使える状態に戻すことだけではありません。傷跡を「景色」として肯定し、器に新しい価値や物語を与えることで、不完全さを美として受け入れる日本独自の思想(侘び寂び)とも深く結びついています。

金継ぎに使われる主な材料

金継ぎの修復を支えるのは、漆と金属粉を中心とした伝統的な素材です。

漆は接着や補強の役割を果たす天然素材で、強力な接着力と耐久性を持ちます。
「生漆(きうるし)」は基本の接着材として、「錆漆(さびうるし)」は欠けの充填材として、「弁柄(べんがら)」は着色や補強に用いられます。

金属粉は華やかさ、銀粉は落ち着いた輝き、錫粉はシックで現代的な印象を与えるなど、それぞれ異なる表情を器に与えます。

これらの材料によって、金継ぎは「修理」でありながら同時に芸術的な表現」としての価値を持ちます。

金継ぎの基本的な工程

金継ぎにおいて専門的な技法はいくつかありますが、一般的な流れは次のとおりです。

1. 破損部分の洗浄と乾燥

器の破損箇所を中性洗剤で丁寧に洗い、完全に乾燥させます。汚れや油分が残っていると、接着がうまくいかないことがあります。

2. 漆による接着

割れた部分に生漆を塗り、慎重に接着します。この際、マスキングテープで固定すると、ずれを防ぐことができます。

3. 欠け部分の補修(刻苧付け)

小麦粉と漆を混ぜて作った「刻苧漆」を使用し、欠けた部分を埋めます。形を整えながら詰めていき、乾燥させます。

4. 下地塗りと研磨

弁柄漆を全体に薄く塗り、乾燥させた後に研磨します。この工程を繰り返すことで、表面を滑らかに仕上げます。

5. 金粉蒔きと仕上げ

弁柄漆を塗り、金粉を均一に蒔きます。その後、漆を薄く塗り定着させて完成です。

金継ぎの魅力と価値

金継ぎは、壊れた器を直すだけでなく、傷跡を新たな美へと昇華させる点に大きな魅力があります。

ここからは、金継ぎが持つ具体的な魅力と価値を順に解説します。

傷跡が景色となる唯一無二の美しさ

金継ぎの最大の魅力は、割れや欠けの痕跡を隠さずに新たな意匠として際立たせる点にあります。

この「不完全さを美とする」発想は、日本独自の美意識である侘び寂びとも深く通じています。

年月を経た器に刻まれた歴史や個性が可視化されることで、修復前には存在しなかった唯一無二の美しさが生まれるのです。

サステナブルな暮らしとの親和性

金継ぎは、壊れた器を廃棄せずに修復し、再び使い続けるという点でサステナブルな暮らしと深く結びついています。

修復された器には「直してでも使い続けたい」という持ち主の想いが宿り、消費行動を超えた豊かさをもたらします。金継ぎは単なる伝統技法ではなく、持続可能な暮らしを体現する実践的な文化でもあるのです。

器への愛着を深める価値

割れや欠けを直す過程には時間や手間がかかり、その痕跡は器の歴史や持ち主の想いを映し出すものとなります。継ぎ目は欠点ではなく「記憶の刻印」となり、修復を経て初めて生まれる物語が宿るのです。

自ら手をかけて修復した場合はもちろん、職人に依頼した場合でも「直してでも使い続けたい」という気持ちが器への親近感を高めます。金継ぎは、単なる物の修復ではなく、人と器との関係をより深める行為でもあります。

金継ぎのやり方|セルフと依頼の違い

金継ぎには、自分で取り組む「セルフ金継ぎ」と、職人や専門業者に依頼する方法の2つがあります。

ここでは、セルフと依頼それぞれの特徴や流れ、費用感の違いを整理し、さらに「金継ぎでは修復できないもの」についても解説します。

自分でできる?セルフ金継ぎキットの活用

初心者でも金継ぎを体験できる方法として、市販の「セルフ金継ぎキット」があります。

このキットには、接着や補修に使う代替材料(合成漆やエポキシ樹脂など)や、装飾用の金属粉がセットになっており、説明書に従えば自宅でも比較的手軽に修復を行えます。

ただし、伝統的な漆を使う本格的な金継ぎとは異なり、仕上がりの風合いや耐久性に差が出る点には注意が必要です。

プロに依頼する場合の流れと相場

相場は、器のサイズや破損の程度によって大きく異なりますが、小さな欠けで数千円程度、複数箇所の修復や大きな割れの場合は数万円以上かかるのが一般的です。美術的価値の高い器や本格的な仕上げを求める場合には、さらに高額になることもあります。

費用はかかりますが、耐久性や仕上がりの美しさ、安心感を重視する方にはプロへの依頼が適する場合があります。

【注意】金継ぎで修復できないもの

金継ぎは多くの陶磁器を蘇らせることができますが、素材や用途によっては修復に適さないものも存在します。

種類概要
プラスチックやガラス製品漆が十分に定着せず、接着力や耐久性が保てないため不向き
電子レンジ・食洗機対応の器高温や水圧で漆が劣化する可能性があり、長期的な使用には不向き
口や食品が直接触れる部分に修復痕がある器安全面の観点から使用が推奨されない場合がある
大きく欠損している器欠けや破損の範囲が大きすぎると、強度や実用性を確保できない

このように、金継ぎは万能の修復法ではなく、器の素材や使用目的に応じて適否を判断する必要があります。

金継ぎの歴史と背景

金継ぎは「不完全さを肯定する美学」として海外でも高く評価され、アートや哲学の領域にも影響を与えています。

ここからは、金継ぎの歴史的な起源や思想的背景、そして現代における国際的な評価について詳しく解説します。

室町時代から続く伝統技法

金継ぎは室町時代に生まれ、茶の湯文化や侘び寂びの美意識とともに発展してきた日本独自の伝統技法です。

侘び寂びとの関係性

金継ぎの起源は室町時代にまでさかのぼるといわれています。

当時、茶の湯文化が広がる中で、茶器の割れや欠けを修復しながら美的価値を見出す手法として金継ぎが定着しました。特に、器を大切に使い続ける精神や「ひとつの器を長く愛でる」という茶人の美意識と相性が良かったことが普及の背景にあります。

さらに、戦国期の武士階級の間では「ひびや欠けを受け入れること」が精神性と結びつき、金継ぎの文化はより広がりを見せました。壊れた器を直す行為が単なる修理にとどまらず、精神文化や美学と結びついた点が、金継ぎを伝統技法として確立させた大きな要因といえます。

海外で評価されるアートとしての金継ぎ

金継ぎは日本の伝統技法であると同時に、海外ではアートや哲学として高く評価されています。

割れや欠けを隠さず、新たな美しさへと昇華させる思想は「不完全さの美」として注目され、欧米を中心に多くの芸術家やデザイナーにインスピレーションを与えてきました。

近年では美術館やギャラリーでの展示に加え、ファッションやインテリアの分野でも「Kintsugi」という言葉が使われるようになっています。また、心理学やライフスタイルの領域でも「心の傷を肯定し、新しい価値に変える」という比喩として引用されることが増えています。

こうした広がりは、金継ぎが単なる伝統工芸を超え、世界共通の価値観へと進化していることを示しています。

金継ぎを学ぶ方法

ここでは、金継ぎの代表的な学習方法を整理し、初心者がステップを踏んで技術を身につけるためのポイントを解説します。

教室で基礎から学ぶ

全国各地で開催されている金継ぎワークショップでは、プロの指導を受けながら修復技術を学ぶことができます。実際に体験することで、金継ぎの魅力をより深く理解できます。

オンラインやワークショップの活用

気軽に金継ぎを体験してみたい場合は、オンライン講座や短期ワークショップの活用がおすすめです。

オンライン講座では、動画や教材を通じて基本の手順を学べるため、自宅にいながら自分のペースで取り組むことができます。初心者向けのセルフキットと組み合わせれば、実際に器を修復しながら技法を体感できる点も魅力です。

また、ワークショップでは数時間の体験型プログラムが多く、講師の指導を受けながら一部の工程を体験できます。完成度は限定的ですが、「金継ぎがどのようなものかを実際に触れて理解したい」という人には最適な入り口となります。

まとめ:壊れた器に新たな命を吹き込む金継ぎ

金継ぎは、壊れたものを捨てずに修復し、新たな価値を見いだす日本独自の美意識を象徴する技術です。現代では環境問題やSDGsの観点からも注目を集めています。壊れた器を直しながら、新しい美を創造する金継ぎに挑戦してみてはいかがでしょうか。

札幌の買取専門店「買取堂ふくふく」では、金継ぎされた器を含む工芸品の査定と買取も行っています。熟練の鑑定士が伝統工芸の価値を適正に評価し、大切な品物を最大限の価格で買い取ります。ぜひ一度、ご相談ください。

 

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