金は本当に枯渇するのか?地球に残された金の未来とは|札幌で金を売る前に知っておきたい基礎知識

この記事でわかること
これまでに採掘された金の総量と、その希少性
年間採掘量と主要産出国、日本の金鉱山事情
可採埋蔵量の考え方(技術・経済性との関係)
未来の金資源:都市鉱山・海水・海底熱水鉱床
札幌で金を売る前に知っておきたい循環とリサイクルの重要性
これまで採掘された金の総量とは?
人類が歴史の中で採掘してきた金の総量は、現在までにおよそ18万トンと推定されています。これは、古代エジプトの文明期から現代に至るまで、人類があらゆる地域で金を採掘し続けてきた成果であり、その数値は膨大に思えるかもしれません。
しかし、この量を体積で表すと約9,300立方メートル程度。これはオリンピック公式サイズの水泳プールに換算しても、わずか3.7杯分にしかなりません。金のように装飾品、通貨、工業用などさまざまな分野で高い価値を持つ資源としては、驚くほど少ない量だと言えるでしょう。
この希少性をより実感できる比較対象として、例えば鉄の年間採掘量は170億トンを超え、これまでの総採掘量では1,700億トン以上ともいわれています。この数字と金の18万トンという数値を比べれば、いかに金が地球上で得がたい、限られた存在であるかが明らかです。
金が「貴金属」と呼ばれる所以も、まさにこの希少性と美しさ、そして長期にわたり変質しない安定性に由来しているのです。
さらに注目すべきは、現在までに採掘された金のうち、およそ3分の2が依然として地上に存在しているという点です。これはジュエリー、コイン、金地金、そして政府の保有する準備資産などの形で保存されており、リサイクル可能な金として市場に再登場する可能性を秘めています。一方で、工業用や医療用に使われた一部の金は、分散され、リサイクルが困難な状態にある場合もあります。
このように、これまで採掘された金の総量は有限でありながらも、回収・再利用が可能な性質を持つ貴重な金属として、今後も世界中で需要が続くと予想されます。そして現在、地球上に残されているとされる可採埋蔵量は約5万トン。これは、今後の技術進展や採掘効率の向上がない限り、数十年で掘り尽くされる可能性があるという警鐘でもあります。金がどれだけ貴重な資源であるかを改めて理解するためにも、私たちは今ある金をいかに有効に使い、循環させるかを真剣に考える必要があるのです。
世界の年間金採掘量はどのくらい?
金は世界中のさまざまな地域で日々採掘が行われており、その年間総採掘量は約3,000トンとされています。これは、月ごとに平均して250トン前後の金が地球のどこかで掘り出されている計算になります。近年では新興国の成長や、中央銀行による金保有の増加などを背景に、金の需要はますます高まっており、そのため採掘量も安定して高い水準を保っています。
2021年のデータによると、世界最大の金産出国は中国であり、約370トンを生産しています。中国は2007年以降、金の年間生産量で世界のトップに立ち続けており、豊富な鉱床と政府主導の資源開発政策がその背景にあります。続いて2位はオーストラリアで約330トン、3位はロシアの約300トンとなっており、これら上位3か国だけで世界の金生産量の約3分の1を占めています。
また、アメリカ、カナダ、ペルー、南アフリカなども主要な金産出国として知られており、それぞれ100~200トン規模の生産を行っています。かつて世界最大の金産出国だった南アフリカは近年、鉱山の老朽化や採掘コストの増大によって生産量が減少傾向にありますが、依然として重要な供給国の一つです。
日本国内では、鹿児島県にある菱刈鉱山(ひしかりこうざん)が唯一の大規模な金鉱山として稼働しており、年間約6トンの金を産出しています。この菱刈鉱山は、金鉱石1トンあたりの金含有量が非常に高く、「高品位鉱山」として世界的にも高く評価されています。一般的な金鉱山では金の含有量が1トン中数グラムであるのに対し、菱刈鉱山では数十グラムに達することもあると言われています。
このように、世界中で年間3,000トン以上もの金が採掘されている一方で、その大部分は装飾品や投資、産業用途として消費されており、全体の埋蔵量の減少につながっています。特に新たな鉱山開発には長い年月と多額の資金が必要であるため、現在のペースでの採掘が続けば、金の供給が将来的に限られてくるリスクもあります。そのため、金の再利用やリサイクルが今後ますます重要となっていくでしょう。
埋蔵量は減少するのか? それとも増えるのか?
現在、地球上に存在するとされる金の埋蔵量は約5万トンと推定されています。ただし、この数字は「現在の技術水準で、かつ採掘コストに見合う形で経済的に採掘可能な量」を基にしたものであることに注意が必要です。つまり、技術的に存在が確認されていても、採掘が現実的でない鉱脈や、採算が取れないほど低品位な鉱床はこの数値には含まれていないのです。
実際には、地球の地殻や深海、極地、さらには未探査地域などにも金はまだ多く眠っていると考えられています。しかし、それらの資源を取り出すには膨大な資金と時間、そして高度な技術が求められます。例えば、1トンあたりの金の含有量が0.5グラム以下となると、現在の技術では商業的に採掘することが非常に難しいのが実情です。
一方で、採掘技術の進歩や探査機器の精度向上、AIによる鉱脈予測などの科学的アプローチにより、今後はこれまで未開発だった鉱床が新たに「採掘可能な資源」として評価される可能性があります。たとえば、かつては経済的に見合わないとされた低品位の鉱石でも、新技術によって採取効率が向上すれば、新たな埋蔵資源として換算されるようになるでしょう。
しかしながら、現実問題として、こうした技術革新が埋蔵量を劇的に押し上げる速度よりも、実際の採掘と消費のスピードの方が上回っているのが現状です。年々採掘される3,000トン前後の金は、工業用途や宝飾品、中央銀行による備蓄、投資用として市場に供給されており、一度使われた金が必ずしもリサイクルされるわけではありません。したがって、再利用の取り組みが進まない限り、可採年数は縮まる一方なのです。
このように、埋蔵量が「増えるか減るか」は単なる物理的な量の話ではなく、技術革新、経済性、資源需要、環境問題など複数の要因が複雑に絡み合うテーマであり、短期的には「減少傾向」、長期的には「技術次第で増加の可能性あり」と見るのが妥当と言えるでしょう。地球に眠る金をどのように活かすかは、私たちの選択と努力にかかっているのです。

現在、地上で採掘可能な金鉱脈は次第に枯渇しつつあり、これまでのように豊富な金を地中から採取するのはますます困難になってきています。そんな中、未来の金資源として期待される新たな供給源が、複数の分野で注目を集めています。これらの代替資源の活用は、持続可能な社会を実現する鍵を握る可能性も秘めています。
都市鉱山(アーバンマイニング)
「都市鉱山(アーバンマイニング)」とは、都市に存在する使用済みの電子機器や家電製品、精密機械などから、金や銀、パラジウム、プラチナといった貴金属を回収する取り組みを指します。従来のように地中から鉱石を採掘して精錬するのではなく、都市に眠る資源を再利用する新しい資源循環の考え方です。
現代社会では、テクノロジーの発展により電子機器の需要が爆発的に増加し、それに伴い廃棄される機器も年々増え続けています。スマートフォンやノートパソコン、タブレット、デジタルカメラ、さらにはテレビ、プリンター、冷蔵庫などの内部には、回路基板や接点部分に高い電気伝導性や耐食性を持つ金が使用されています。例えば、スマートフォン1台には平均0.03g程度の金が含まれているとされており、これは数十万台を回収すれば、数十キロの金を得られる計算になります。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、この都市鉱山から回収した金属を用いて、金・銀・銅のすべてのメダルを製作したことが世界的に注目されました。このプロジェクトでは、全国の自治体や企業、市民から約6,210万台もの携帯電話や小型家電が回収され、約32kgの金、3,500kgの銀、2,200kgの銅が得られました。これはまさに「都市に眠る鉱山」の力を証明する画期的な取り組みだったといえるでしょう。
現在、日本国内の都市鉱山には、約6,800トンの金が存在すると推定されており、これは地球上に残された埋蔵量(約5万トン)の15%にも相当する驚異的な数字です。また、金だけでなく以下のような貴重な資源も大量に含まれています:
- 銀:約6万トン(世界の銀埋蔵量の22%)
- イリジウム:約16%
- 錫:約11%
- タンタル:約10%
これらの希少資源は、スマートフォンやEV(電気自動車)、航空宇宙機器、再生可能エネルギー関連装置などの最先端技術に不可欠であり、供給の安定確保は世界的課題となっています。
都市鉱山の利点は、環境負荷が比較的小さく、既に使用された製品を再利用するため、地球資源の枯渇を防ぎつつ循環型社会を実現できることです。しかしながら、資源の回収・分離・精製には高度な技術とコストがかかるため、効率化と設備投資が今後のカギとなります。
今後、アーバンマイニングがより広く定着すれば、日本は「資源小国」から「資源循環型先進国」へと飛躍する可能性があります。そのためには、行政・企業・市民が一体となった持続可能な仕組み作りが求められているのです。
海水中の金の抽出
驚くべきことに、私たちが日常的に接している「海水」にも、実は微量ながら金が含まれています。地球の海洋は非常に広大であり、その総水量は約13億立方キロメートルにも及びます。この膨大な水の中に、微細な形で溶け込んでいる金の総量を理論上すべて抽出できたと仮定すると、その量はなんと約50億トンにもなると試算されています。これは、これまで人類が地上から採掘してきた金の総量約18万トンを遥かに凌駕する、想像を絶する規模の資源です。
しかし、現実はそれほど簡単ではありません。海水中の金の濃度は極めて低く、1リットルあたりおおよそ0.00001ミリグラム程度とされています。これは、金を目に見える形で取り出すためには、何十万リットルという大量の海水を処理する必要があることを意味します。このため、現時点では金の抽出に要するコストやエネルギー、設備の規模が膨大となり、商業的には成立しないのが実情です。
さらに、海水中には金以外にも多種多様な成分が溶け込んでおり、それらを効率よく分離し、金だけを高純度で回収する技術もまだ十分に確立されていません。研究者や技術者たちは、新素材の開発やナノテクノロジーを活用した分離膜の改良などを通じて、効率的な抽出法の確立を目指して日々研究を重ねていますが、実用化にはまだしばらく時間がかかると考えられています。
それでも、地球に存在する最も膨大な未開発の金資源として海水が注目されているのは事実であり、長期的には持続可能な資源供給の選択肢の一つとして期待が寄せられています。もし、将来的にコストを抑えた技術が実現すれば、金だけでなく他の希少金属の回収にも応用が広がり、地球全体の資源循環モデルに革命をもたらす可能性もあるでしょう。
このように、海水中の金の抽出は、現段階では夢のような技術である一方で、未来に向けた資源確保の「最後のフロンティア」とも呼べる挑戦の一つなのです。
海底熱水鉱床からの採掘
地球の深海には、私たちの想像を超える豊かな鉱物資源が眠っており、その中でも特に注目されているのが「海底熱水鉱床」です。これは、海底の火山活動によって生じる熱水が、地中の金属を溶かしながら噴出し、海水と接触することで急激に冷却され、金属成分が沈殿・堆積して形成される鉱床のことです。海底熱水鉱床には金・銀をはじめ、銅や亜鉛、鉛、さらにはコバルトやレアアースなどの希少金属が豊富に含まれており、近年「海底の宝庫」として世界中から注目を集めています。
特に日本周辺の海底には多くの熱水鉱床が確認されており、これは日本列島が火山帯に位置していることと関係しています。日本政府もこうした海底資源の開発に積極的に取り組んでおり、すでに沖縄近海や伊豆小笠原諸島などで調査や試験掘削が行われています。こうした海底鉱床は、陸上鉱山よりも金の含有率が高いことが多く、採掘の効率という面でも将来性が高いとされています。
また、海底熱水鉱床には金以外の貴重な金属も同時に含まれているため、マルチメタル資源として一度に複数の金属を採取できるメリットもあります。これは、従来の鉱山に比べて資源の有効利用がしやすく、採掘コストの削減にもつながります。
しかしながら、海底の環境は非常に過酷であり、高水圧・低温・暗黒といった条件下での作業には特殊な技術と機材が必要とされます。さらに、海底資源開発には生態系への影響や国際法上の問題も伴うため、環境保護と調和を図った開発手法の確立が求められています。
それでもなお、陸上資源の枯渇が進む中で、海底熱水鉱床は「次世代の鉱山」として、今後の資源供給を担う重要な存在になることは間違いありません。未来の金採掘は、地上から深海へと舞台を移し、私たちの技術力と自然との共存への意識が問われる時代に突入しようとしています。
まとめ:金は限られた資源、だからこそ大切に使おう!
金は希少性・美観・耐久性に優れ、循環利用と相性が良い。
採掘ペースが続けば新規供給の制約が強まるため、都市鉱山などの活用が重要。
使わない金製品はリユース・リサイクルへ。持続可能な資源活用が未来の供給安定につながります。
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